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社長メッセージ 美しい人生
 
   
美しい人生  
   
   
 人生も高齢になるととってもつまらない事を考えます。私は昔から、何気なしに酒の席で三田明の歌を『美しい人生』に変えて何百回も歌ってきました。
今この年になってようやくその歌の意味深さがわかりました。
世の中には同じく捉えられる2つの言葉があります。それは「綺麗」という言葉と「美しい」という言葉があります。
たいした理解をしない内に一生を終わっているところでした。
 
 この話の元になったのは子供たちに菊の栽培を指導するようになってからです。
昨年は生徒数が84名でしたが一人一鉢という量の中で、全ての鉢が綺麗に咲かないのが通年です。作業を怠る生徒または最初から関心のない生徒様々ですが、最後には人の作品と比べてあの時やっておけば良かったと悲しい反省をします。
私にとってそれは押し付けもされないのが寂しく、一年だけという期間ですので言い返す慰めの言葉もありませんでした。
 
 
 そこで思いついたのが「綺麗な花」と「美しい花」の言葉を使い分けて教えることでした。
 美しい花は自分だけにしか見えない綺麗さと言えるかもしれません。
そこにはそれに携わる者の心とやさしさが伴い、悩みや創造をも含めた愛情によって作られるからです。
しかもそれはゴツゴツの石であっても、折れてつなぎ合わせてやっと咲いた小さな花でも、虫に食われて穴だらけの葉であっても、偶然に咲いた綺麗な花より、それこそ大勢の人に語りたくなるような思い出や、中身のこもったもの、それこそ本当の美しい花だと思います。
 
 一方綺麗なものはどうでしょうか。中身は何もありません。
綺麗なものは誰が見ても綺麗だからです。
 新雪の積もった真っ白の山々、真赤に紅葉した山々、ツルツルした石や人間の肌、揃っていて癖のない字体など全てバランスのとれたもの、純色で飾られた色の組み合わせや、さわっても怪我のしない滑らかさや、おまけに何の匂いもしないものが綺麗なものだと思います。
 
 そこで美しい人生に話しをつなげたときに、皆さんの今日までの何万日悲しみや苦労を乗り越えて育ててきた人のことを思うと、人それぞれどんな個性があろうとも、一人一人がとても美しい者であることを改めて自覚しよう。
 
 美しい人生それはやはり人生のひとつの節目に思うもの。
そんな時期歩んできた道を振返ったとき、たくさんの思い出や、また力一杯生きてきた苦労話など、自ら人に語りたくなったり、世話を焼きたくなったりします。
 
 
 そんな人こそ、涙の量を測り知れない人生やりあげた人だと私は思います。
あえて言葉を整えるなら、今から美しい人生を求めて転びながらもよじ登って欲しいと思います。
平成19年1月8日
稲田俊夫